side Atsuya
敦也はまわりに迷惑なくらいの『近寄るなオーラ』を出しながら生徒会室に向かっていた
「・・・はぁ」
イライラする
せっかくカイさんに会えたのに
面倒臭い生徒会の仕事のせいで全然話せなかった
ユウのせいでカイさんが居なくなってもう1年以上
一応繋がってはいた携帯から
無機質な女の声が聞こえだした次の日から
ユウの遊びは以前のよりも更に酷くなり
日替わりで違う人物が隣に居るようになった
そして俺はカイさんを忘れない様に
髪の色を変えた
ユウには一発だけ殴られたけど・・・
たまたま『馬鹿』の用事で学食に行った時、
隣で聞こえた懐かしい声色に
俺は耳を疑った
声の発信者は記憶に残る最後のカイさんの姿とは全く違っていたけれど
なぜか気になって声をかけていた
普段なら絶対にしないのに
『・・・始めまして、篠崎君』
そう言って顔を上げたその人物
「・・・カイさん」
喉が枯れたように声が上手く発せない
それでもカイさんは気付いたようで
少し眼が揺らいだのが分かる
その姿に、
ユウがこの人をそこまで傷つけてしまっていた事に
改めて気付かされた
その後、慌てて出て行ったカイさんの後を追って
連絡先を手に入れた
この事をユウに黙っていたらきっと、後から殴られるだろうな
でも
俺は何もしないと決めた
いまだにカイさんはユウを引きずっているし
ユウも言葉には出さないがきっとまだカイさんを忘れていない
あの2人が今後、出会うことがあれば
それが2人の運命だということ
俺は2人が幸せならそれで良い
敦也は別れる前の2人の姿を思い出し、口元を弛める
普段は決して笑うことなどない敦也
その姿を見た生徒達が『敦也の思い人』に更なる興味を抱いたこと
噂が更に急速に広まったことを
敦也は知らない
「!!・・・美穂・・・」
そういえば
『美穂』の話を聞いていない
「後で聞いてみるか・・・」
この後、生徒会室で早くも広がった噂を聞き
敦也は電話で海斗に必死に謝る事になる。
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